■ 今週のTOPIC「フローリングの特徴と選び方!」
家づくりの空間の中でも広い面積を占める床材は、
インテリアのイメージを左右するとともに、
歩いたり座ったりと肌が触れることも多く、
心地よさにも大きく影響するアイテムです。
選び方によっては、
日々のお手入れやメンテナンスのしやすさなども
異なりますし、費用も大きく変わります。
床材を選ぶ際には、空間の使い方や暮らし方に合わせ、
求める機能の優先順位を明確にして
検討することが大切です。
◆一般的な住宅に多く用いられるフローリング
一般的な住宅の居室に使われる床材は、
フローリングやコルク、カーペット、
クッションフロア、タイルなど多種多様です。
その中でも、多くの方が取り入れるのが
フローリングでしょう。
殆どの住宅会社の標準仕様となっていますし、
分譲住宅でも賃貸住宅でも広く用いられています。
各メーカーからは、
豊富な商品バリエーションが揃っているので、
予算や好みに合わせて
自由に選ぶことができる素材です。
◆フローリングには実はさまざまな種類がある
フローリングとは、床仕上げ用板材のことです。
いくつかに分類されますが、
木質素材などの用い方(構成)では、
大きく無垢材(単層フローリング)と
複合(複層)フローリングに分けられます。
また、多様な表面デザインや機能性などを
持つタイプも揃っています。
建材メーカーの商品には、
一戸建て用とマンション用が
ラインナップされているので、
施工する建物に適するタイプを選ぶことも基本です。
◆素材の用い方(構成)で分類される
- 無垢材(単層フローリング)
無垢材とは、切り出した天然木の一枚板を
加工したもののことです。
機の種類によって異なりますが、
一般的に、空気を多く含んでいるので
保温性や断熱性が高いことが特徴です。
また、湿気の多い季節は余分な湿気を吸収し、
乾燥しがちな季節は排出する調湿作用もあるので、
夏は素足で歩いてもべとつかず、
冬は静電気を抑えるのも魅力です。
柔らかい機の種類であれば弾力性もあるので、
足腰への負担は少なくなります。
ただし、湿度の変化によって、
膨張と収縮を繰り返すので、場合によっては、
反りや割れなどが生じることもあります。
最近では、耐久性や寸法安定性を高めるため、
特殊な加熱処理を施した商品もみられます。
- 複合(複層)フローリング
複合(複層)フローリングは、
合板などの基材の表面に化粧材を
張り合わせたものです。
用いる化粧材によって分類することができます。
・化粧シートタイプ
化粧シートタイプは、樹脂やオレフィン、
紙などのシートに、
木目や石目、抽象的な柄などを印刷したもの
(プリントシート、樹脂化粧シート、
特殊加工化粧シートなど)を基材に
張り合わせたものです。
品質や仕上がりが均一で、
施工性に優れていることなどが特徴です。
・突板タイプ
突板タイプは、薄く削った天然木の単板(突板)を
用いたものです。
張り合わせる天然木はさまざまですが、
単板の厚い方が、溝も深く木目が鮮やかです。
商品によっては無垢材のフローリングと
区別のつかないものもみられます。
・挽き板タイプ
天然木を鋸などで挽いて切った、
突板よりも厚みのある板(2mm程度)を基材に
張り合わせたものです。
無垢材のような質感を持ち、
反りやゆがみなどの狂いが
ほとんどないのが魅力でしょう。
◆表面に用いる材によってさまざまな表情がある
- 幅広のタイプ
幅があることで、高級感を得られるとともに、
目地が少ないので掃除がしやすいという
メリットもあります。
- パーケット
パーケット(寄せ木張り)のデザインなど、
個性的なインテリアを生み出すことができる
商品も増えてきています。
- 石目・抽象柄
化粧シートタイプにみられるデザインです。
モダンな空間や水まわりなど、
清潔感のある雰囲気が魅力でしょう。
◆機能を持たせたタイプも揃う
- 床暖房対応
床暖房は人気の設備機器のひとつです。
複合フローリングはもちろん、
無垢のフローリングでも床暖房に
対応可能な商品は多くみられます。
また、仕上げ材であるフローリングと
一体型の床暖房商品も豊富に揃っています。
- 水まわり用
キッチン特有の汚れが落としやすく、
掃除のしやすいタイプです。
凹みなどに強い商品もみられます。
洗面用のタイプは、水に濡れても滑りにくいもの、
水や汚れが浸透しにくいタイプなどがみられます。
トイレ用は、
水や薬品に強いものや継ぎ目が少なく施工できる
大判のタイプなどがあります。
- 防音機能
高い防音性能を持つマンション用の床材です。
滑らかな肌触りの艶消し仕上げが魅力です。
特殊な制振マットや緩衝材などを用いて、
階下や隣室に伝わる音を軽減するものです。
遮音等級L-40、L-45など、
各メーカー共に揃えています。
- ペット配慮
ペットが滑りにくいように配慮されたタイプ、
引っかき傷がつきにくく、
お手入れしやすいものなどがあります。
また、おしっこへの対策を施したもの、
アンモニアに強いもの、フッ素塗装などで
シミになりにくくする工夫がなされた
商品もみられます。
- ノンスリップ対応
高齢の方や介護が必要な場合など、
滑りに配慮したものです。
車椅子でも傷がつきにくく、
水や汚れにも強いタイプがあります。
◆上張り(重ね張り)タイプ
最近増えているのが、
リフォームの際に取り入れやすい
重張り可能な複合フローリングです。
既存の床材の上から重ねて施工することができる
薄いタイプなどが揃っています。
工事期間が短いことが大きなメリットです。
美しく仕上がる専用の納まり部材などが
揃っている商品もみられます。
◆まとめ
フローリングを選ぶ場合、
実物をショールームで確認することは
重要なポイントです。
広い面積に取り入れる素材なので、
できる限り大きなサンプルで、色や柄、素材感や
風合いなどの確認するようにしましょう。
できれば、サンプルは床に置いてチェックすることです。
用いた時と同じ状態とすることで、
光の具合による色味の違いや風合いなどを
理解することができるでしょう。
無垢と複合フローリングの素材感の違いなどは、
サンプルをいくつか並べて比較をしましょう。
実際に手を触れたり、実際に歩くなどして、
検討することが大切なポイントです。
それでは、また。