■ 今週のTOPIC「家づくりの基礎知識 空間別の照明」
照明を決めるとき、
リビングや寝室、洗面室など、
部屋ごとに「照明」を考える人は
多いです。
確かに、部屋ごとに
適切な照明は違うのですが、
明るさやデザインなど、
それぞれの部屋ごとに
適切な照明器具を選んだつもりでも、
実際には不満や悩みを
抱えている場合もあります。
では、どうしたらいいのかを、
わかりやすくお伝えします。
◆リビングや寝室など、部屋ごとにちがう
「照明」の悩み
あなたは、自分の家の照明に満足していますか?
新築やリフォームのほか、
新しい家に引っ越した時などに、
新たに照明器具を選んだり、
交換する人が多いと思います。
実は、照明について不満をもっていたり
困っているという人が多いようなのです。
例えば、リビングでは
「白い光だとくつろげない。かといって、
温かみのあるあかりだと子どもが勉強しない」
という声を聞きます。
また、キッチンでは
「食材の色や鮮度を判断しにくい」、
ダイニングでは「料理がおいしそうに見えない」
といった不満になります。
寝室では、
「掃除をしたり片付け物をするときにはよくても、
就寝前には明る過ぎてゆったりできない」とか、
洗面室では「白っぽい光だと肌がきれいに見えない」
トイレでは「消し忘れが気になる」
といった問題が挙がってきます。
浴室でも、
「ときにはゆっくりとくつろげる明るさに
変えられるといいのだけれど」
というような悩みもあるようです。
また、その逆で、
「オレンジ色の光だと、
年齢を重ねるにつれてどうも暗く感じる」
「天気の悪い昼間だとすっきりしない」
という声もあるようです。
部屋ごとに悩みの内容は少しずつ違いますが、
これらの声を聞いて、「わが家でも同じ」とか、
「私も似たようなことを感じていた」
という方も多いのではないでしょうか。
◆同じ部屋でも家事や子育てなど、
用途で変わる「照明」
これらの照明についての悩みや不満は、
なぜ生じるのでしょうか。
原因は、部屋とか空間という単純なくくりだけで、
照明を選んだからです。
同じ部屋でも、
そこで行われる生活行為は様々です。
当然、適切なあかりも
用途によって違ってくるのですが、
リビングとか寝室といった空間だけにとらわれず、
その空間でどんなことをするのか、
用途や生活シーンに合わせて
あかりを変えていかないと、
先に紹介した不満を解決することができず、
満足のいく照明にはならないのです。
具体例を挙げて、もう少し詳しく説明しましょう。
リビングでは、テレビを見たり、
おしゃべりをしたり、お酒や食事を
楽しんだりしますが、
読書をしたり、お子さんが勉強をしたり
ということもありますね。
それぞれの異なるシーンにおいて
全て同じ照明では、くつろげない、
あたたかさや温もりが感じられないとか、
明るさが足りなくて文字が読みにくいなど、
不都合が生じるケースがあるはずです。
同じようなことは、
ダイニングでも起きると思います。
家族で食事をするのはもちろんのこと、
ダイニングテーブルでちょっとした調べものをしたり、
学校関係の書類を見るということはありませんか?
お子さんが宿題をするのを
お母さんが見守ったりということもありそうですね。
子ども部屋では、どうでしょうか。
子どもの個室ですから、
寝室として利用するのはもちろんですが、
同時に、同じ部屋で勉強したり、
遊んだりもしますね。
このように、
私たちは同じ部屋でさまざまなことをしています。
同じ空間にいても、
その場所でこなす用途はいくつもあるのです。
にもかかわらず、
同じ明るさ、同じ色の光の照明では、
一つの用途に合わせて
ちょうどよい照明にすることはできても、
ほかのシーンでは不便を
我慢しながら過ごさなければならない
ということが多いのです。
前述の悩みが示すように、
いろいろな用途を考えてあかりを選ばないと、
さまざまな生活シーンに対応させることは
難しいのです。
◆用途や過ごし方に合わせて、
あかるさを変えられる「LED照明」
前述した不満や悩みを解決する方法として、
まず挙げられるのは、
調光・調色機能をもった
LEDの照明器具にすることです。
調光とは、全灯の100%から消灯の0%まで
明るさを調節することです。
調色とは光の色を変えることです。
照明器具にもよりますが、
さわやかな白い色から、
くつろぎに向いたオレンジ色に
変化させることが可能です。
LEDの照明器具の中には、
調光・調色の機能をもった照明器具が
たくさんあります。
そのほかにも調光スイッチを取り付けることで、
調節することもできます。
◆一室多灯や間接照明で、
多彩な演出するのもよい方法
調光・調色機能によって対応するのも
一つの方法ですが、問題の解決策として、
一室多灯にトライしてみるのはいかがでしょうか。
一室多灯とは、
一部屋に複数の照明器具を配置することです。
LDKなどは、
点灯する照明の組み合わせや、
明るさを変えるだけで、いろいろなシーンができます
こういう空間こそ、多灯にしてほしい場所です。
さらに、間接照明という照明手法を取り入れると、
より演出効果が高まります。
間接照明とは、
光を天井や壁などに反射させて間接的に照らす
照明のことです。
影ができにくく、やわらかい光が特徴です。
ほんのりとした明るさが心地よく、
自宅でソファに身を委ね、
心地よく過ごしたいときに向いているあかりです。
間接照明は、コンセントにつなぎ、
テレビの後ろやソファの下などに置くことができる
スタンドタイプものから、
新築やリフォーム時など工事を伴うものまで
さまざまありますので、
暮らしに合わせて上手に間接照明を取り入れ、
居心地のよいあかりを追求してほしいと思います。
興味はあるけれど、
どこから手をつけたらいいかわからないという人は、
まず、家のどこかの照明器具を
LED照明に変えてみましょう。
その際、リモコンで簡単に
調光・調色できる器具を選んでください。
そうすれば、リモコン操作で違いを
感じられると思います。
新築やリフォームを考えている方は、
一室多灯や間接照明にチャレンジしてみてください。
一室多灯は必要に応じて適切なあかりを選択するので、
省エネになる可能性もありますよ。
◆多彩なLED照明は、ショールームで体験してみよう
あかりでどのように雰囲気が変わるのか
体験したい人は、
照明メーカーのショールームへ行ってみましょう。
調光や調色によってどんな違いがあるかを
実感することができます。
多種多様な照明、選び方、組み合わせ方によって、
同じ空間でも大きな変化があることに、
きっと驚かれると思います。
ほとんどの照明メーカーのショールームでは、
平面図を持っていくと
プロが部屋に合った照明のプランを
提案してくれるサービスがあります。
自分の家にぴったりの照明プランを
無料で手に入れることができるので、
新築やリフォーム時はもちろん、
照明器具を変えたいという場合も利用してみましょう。
ショールームの見学の際には
専門知識を持ったスタッフが
説明してくれますので、
事前予約がおすすめです。
遠方でショールームへ行くのが難しい方は、
各メーカーホームページ内にある
WEBカタログを利用するのもよい方法です。
メーカーによっては、
WEB上で部屋の照明のシミュレーションをしたり、
どんなあかりが適しているかを
相談できるところもあります。
新築やリフォームの際、
「こんなはずではなかった」と後悔しないように、
ここで紹介したサービスを利用して、
心地よいあかりを手に入れてほしいと思います。
それでは、また。