今週のTOPIC「勾配天井平屋のメリットとデメリット」
勾配(こうばい)天井を採用した住宅は、
開放感があるため人気があります。
また、勾配天井と平屋を組み合わせることで、
新たなメリットが生まれるケースもあります。
今回は、
勾配天井の平屋だからこその魅力と
デメリットや注意点についてお伝えします。
◆平屋を勾配天井にするメリットとは
勾配天井の平屋を建てる前に、
まずは「勾配天井」が
どのようなものなのかを知っておきましょう。
勾配天井とは、
天井となる面に傾斜がつき、
斜めになっているものを指します。
住宅密集地などで
周囲への日当たりや風通しを
確保するための斜線制限が
定められている地域では、
比較的傾斜の大きな屋根が多く見られます。
では、この勾配天井のメリットは
どのような点なのでしょうか。
- 屋根裏になる空間を活用することで
平屋でも生活空間が広がります。
勾配天井のある家では、
屋根裏にあたる空間を活用できます。
たとえば、屋根裏にあたるスペースを
ロフトとして活用したり、
リビングの天井を高くしたりすることが
可能です。
平屋はどうしても
居住スペースが狭く感じられがちです。
しかし、勾配天井の平屋にすれば、
開放感のある設計になるだけではなく、
実際に生活空間を広げることもできます。
- 平屋でも通期性が高くなる
天井が高くなることで、
高い位置に窓を設置することができます。
高窓と腰窓を開ければ、
暖かい空気は高窓から外へ、
新鮮な空気は腰窓から中へと流れます。
このような窓の設置にすると、
自然と空気の流れが生まれるため
通気性が上がります。
また、高い位置に
採光用の窓を取り付けることもできるため、
部屋を明るくすることも可能です。
従来の平屋では難しかった換気や
太陽光の取り入れなどが、
勾配天井のおかげで実現する可能性があります。
◆勾配天井の平屋のデメリットはどこにある?
勾配天井には
さまざまなメリットがある一方、
デメリットもあります。
良い面ばかりではなく、
注意点をきちんと知っておくことが
賢明な選択をするために不可欠です。
勾配天井を採用する際に気をつけるべき
ポイントを紹介します。
- コストが高くなる可能性
勾配天井を採用した場合、
天井高が低くなることで
コストが安くなるケースがあります。
しかし、勾配の分だけ壁の面積が広くなり、
費用が高くなる可能性もあるため
注意が必要です。
勾配天井を採用する際には、
費用についてチェックをしながら、
間取りに応じて勾配をつけるなどの工夫も
検討するようにしましょう。
- 部屋が暑くなりやすい
一般的な住宅では、
屋根に太陽光が当たることで
発生する熱を屋内に通さないようにするため、
屋根裏などに断熱材を使います。
ところが、勾配天井の場合、
屋根にあたった熱を遮断する部分がないため、
熱が直接部屋に伝わってしまうのです。
また、天井が高くなることで
暖かい空気が高いところにとどまるため、
エアコンなどをつけても
なかなか部屋の温度が下がらないケースも
あります。
断熱性の高い建材を使用したり
シーリングファンを設置したりするなど、
暑さ対策を考えておくことが重要です。
ただし、
これらの設備についても
費用がかかるため、
全体のコストのバランスを見つつ
考える必要があります。
- メンテナンスに手間がかかる
勾配天井を採用した場合、
天井が高くなることで
開放感が生まれる一方、
高い場所のメンテナンスが大変になります。
照明の設置や取り換えも簡単ではなく、
あらかじめ対応方法を
考えておくことが必要です。
すべての部屋を勾配天井にするのではなく、
個室は通常の天井にするなど、
メンテナンスの手間を減らす工夫も
考えておくべきです。
また、高い天井の部屋でも
十分に明るく照らすには、
一般的な蛍光灯では難しいため、
高い天井からつり下げるタイプの
照明器具などを設置しなければなりません。
しかし、そのような電灯は
地震の際に破損する可能性も高く、
あらかじめ対策が必要です。
◆まとめ
メリット・デメリットを理解したうえで
勾配天井のある平屋を検討しましょう。
改めて勾配天井の平屋の
メリットとデメリットをおさらいします。
・勾配天井とは天井全体が
1つの斜面になっているものを指します。
・屋根裏の空間を利用できるため
平屋でも生活空間を広げられます。
・通気性が高く、
太陽光を取り入れやすい設計にもできます。
・屋根裏がないために外からの熱を
通しやすく部屋が暑くなりやすです。
・一般的な住宅よりもメンテナンスが
手間になったり専用の設備を揃えたりする
必要があります。
実勾配天助の平屋を検討する際には、
現場見学会や住宅展示場にて
実際の建物を見学してみると
よりイメージが湧くと思います。
それでは、また!!