今週のTOPIC「テレワークに外部空間を有効活用しよう!」
◆急速に広がったテレワークという働き方
新型コロナ感染拡大の影響を受け、
否が応でも働き方の改革が
起こっています。
それがテレワーク、
またはリモートワークと言われる
いわゆる「在宅勤務」というスタイルです。
会社から離れた自宅などから
インターネットにつなぎ、
パソコンなどを使い仕事をします。
満員電車や、
窓が開けられないオフィス空間に
長時間滞在しなくて済み、
いわゆる“3密”を
避けることができます。
通勤時間がかからず、
生活にゆとりができることから、
メリットが大きい働き方です。
テレワークは、
ネットワーク環境が整備されてきた
今だからこそ可能になった、
新しい働き方と言えますが、
新型コロナ感染拡大がある程度収束しても、
この働き方は
定着していくと考えられています。
◆どこで働く?夫婦共働きのテレワーク
新型コロナ感染拡大を受け、
実際にテレワークが始まってみると
困惑した人もいるでしょう。
それはズバリ
「自宅内のどこでテレワークをするか」
です。
特に、小さな子どもがいる家庭、
夫婦共働きで二人ともテレワークになった
ケースなどですね。
これまでの夫婦共働きの場合、
それぞれの職場へ出勤して仕事をこなし、
仕事が終わると家に帰るという生活で、
住まいは家族のコミュニケーションを
深める場でした。
リビング・ダイニング等の
共有スペースが重視され、
書斎など仕事ができるスペースがある家は
それほどありませんでした。
つまり一戸建てでもマンションでも、
テレワークを想定した
間取りになっていることはほとんどなく、
1人で集中して仕事がしたいと思っても
そんな場所はないのです。
子ども部屋はあっても大人部屋はない……
当たり前だった
今までの住宅間取りの在り方が、
今では切実な問題となって
降りかかってきています。
◆自宅で仕事、意外に快適な場所とは
そこで室内から室外へ目を向けてみましょう。
テラスやベランダなどの外部空間が、
意外にもテレワークに向いていることを
ご存じでしょうか。
その理由として、
出入口を閉めてしまえば
室内空間と切り離され、
1人の空間となること、
自然に通り抜ける風、
鳥のさえずり、
ふと顔を上げた時に遠くに見える風景に、
リラックス効果があることなどが
挙げられます。
夫婦のうち一人は室内で、
一人はテラスでテレワーク、
という棲み分けができます。
◆外部空間を仕事場にするときの注意点
テラスやベランダを
快適なテレワーク空間にするための
注意点をいくつか挙げてみましょう。
- 周囲からの視線を感じないこと
周囲からの視線はとても気になるものです。
集中力を持続したり、
居心地よいと感じたりするためには
「いかに視線を感じずにすむか」に
かかっていると言えます。
住宅が混み入って建ち並んでいる住宅街では、
手すりが斜めの格子状になっていて
すき間が少ない
「ラティスフェンス」などで囲いを設け、
周囲から見えにくいようにしておくことが
大切なポイントです。
- 日よけがあること
パソコンの画面の見にくさや
日焼けによる体力消耗を防ぐためにも、
テレワークをする場所は
日かげであることが大切です。
日よけテントやシェード、
オーニングなどを設け、
直射日光が当たらずにすみ、
急な小雨程度になら対応できるように
しておきましょう。
壁だけでなく
頭の上もなにかに覆われていると、
安心感が違ってきますよ。
夏場の西日除けに、
よしずやすだれなどを用いると
暑さ対策になります。
- コンセントがあること
パソコンを使う場合、
最近の持ち運び用のノートパソコンならば
半日くらいは充電しなくても
使えるものが多くなっています。
ランチタイムに充電すれば、
一日中パソコン仕事をすることは可能と
考えられますが、
近くに電源があればより安心です。
たいていの住宅には、
エントランスやベランダ付近に
外部用コンセントが設けられています。
椅子とテーブルを置く場所から
延長コードを使って届く範囲に
コンセントがあれば、憂いなしです。
- インターネット環境が整っていること
バルコニーやテラスなら家の中から近いため、
Wi-fiは問題なく届くと考えられますが、
もし届きにくい場合は、
Wi-Fiの中継機などを利用して
電波を補強するか、
スマホのテザリングか
モバイルルーターを使いましょう。
以上の条件が整っていれば、
あとは椅子とテーブルを
置けるスペースがあればOKです。
そこが快適な、誰にも邪魔されない、
あなた専用の仕事場になるでしょう。
◆住宅に対する新しい価値観
新型コロナ感染拡大の影響から、
今後の住まいの在り方が
見直される時が来ています。
家にいる時間や
家族と過ごす時間が長くなり、
家族が快適に、
健康に過ごせること、
家庭内事故が起こりにくい
安心安全な住まいであることが
求められています。
テレワークが一般的な働き方になれば、
交通の便のよい都市部にこだわる必要がなく、
緑が豊かな郊外や、
地方に住む人が増えてくるかもしれません。
たとえ狭くても
夫婦それぞれの専用スペースを設けるなど、
これまでにない
新しい価値観による立地選び、
住まいや間取りが
増えてくると考えられます。
◆オン・オフ共に使える空間づくり
テレワークが一般的になるであろう
これからの働き方を見据えて、
限りのある室内空間だけでなく、
ぜひ家の外へも目を
向けてみていただきたいと思います。
今回お伝えしたように、
家の外のデッキやバルコニーを
「仕事もできる場」
としてつくりこんでおけば、
そこはオンにもオフにも使える空間になり、
まさに一石二鳥、空間の有効活用です。
これから家つくりをする人は
ぜひ、外部空間の使い方も念頭に入れて
計画するようにしてください。
すでに持ち家がある人は、
居心地のよいデッキやテラスをつくる
リフォームを計画してみては
いかがでしょうか。
それでは、また!!