今週のTOPIC《自然素材・健康住宅について》
ようやく春らしい気候になってきました。
そこで今回は『自然素材・健康住宅について』ご紹介します。
近年、「健康住宅」というワードを耳にするようになってきましたね。
家は生活の一部となる空間です。
永く住み続ける家の健康問題は気になる人も多いのではないでしょうか?
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《自然素材・健康住宅について》
■ 健康住宅とは
■ 住環境による健康被害
■ 自然素材住宅の魅力
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■ 健康住宅とは
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健康住宅には、厳密な定義があるわけではありません。
しかし、住む人の健康を考え、快適に過ごせる家づくりなどが考えられます。
例えば、ホルムアルデヒドなどの有害物質・人口化学物質を排除し自然素材を使用した家があげられます。
人の体に影響を与える化学物質を含まない自然素材を使用しているので、長期にわたり健康被害に遭わずに、安全に暮らせるといえます。
■ 住環境による健康被害
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住環境における健康被害の代表例として「シックハウス症候群」や「住宅の傾き」、
「結露・カビ・ダニ」による健康被害についてご紹介いたします。
- シックハウス症候群
<<特徴>>
住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等とそれによる健康影響が指摘されており、
それらを総称し「シックハウス症候群」と呼びます。
その症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざまです。
“引用元:生活環境におけるシックハウス対策|厚生労働省
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124201.html)”
<<原因>>
木材に塗布される防腐剤クロルピリホスや、建材に使われる塗料や接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどの有害物質が挙げられます。
<<対策>>
化学物質の建材の使用を避け、自然素材の建材を用いることで有害物質の原因を取り除きます。
家具などの生活用品においても自然素材を選ぶことでより効果が見込めます。
- 結露・カビ・ダニ
<<特徴>>
カビやダニの発生により喘息やアトピーの症状を引き起こします。
<<原因>>
気密性が低いと家の中で過度な温度差が発生し、結露が起こりやすくなりカビやダニの増殖の原因となります。
<<対策>>
高断熱・高気密な仕様にすることで結露の発生を防ぎカビの増殖を抑えることができます。
また、換気システムを取り入れることで、常に新鮮な空気に保たれ清潔です。
- 住宅の傾き
<<特徴>>
住宅の傾斜度により、健康被害の内容や個人差により異なりますが
頭痛やめまい、肩こりなどが続いたり、平衡感覚が狂い、吐き気や食欲不振などの症状が挙げられます。
<<原因>>
地盤に問題があることが多く、例えば地震による液状化現象や地盤沈下などが要因としてあげられます。
生活では気づかない程度の傾きでも健康に被害を及ぼします。
<<対策>>
家を建てるときに基礎改良をしっかりと行い、傾かないように予防することはとても重要です。
しかしながら、すでに傾きが生じている場合はウレタン工法やジャッキ工法などで基礎に手を加え修正することをお勧めします。
■ 自然素材住宅の魅力
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自然素材住宅の特徴は、仕上げの素材に無垢や珪藻土、石材や和紙など自然の素材を使った家づくりのことを指しています。
自然素材住宅の魅力をご紹介いたします。
- 老若男女問わず安心
化学物質が含まれる建材を使用しないため、どの世代にも安心して暮らしていただけます。
- 耐震性
無垢材は鉄やコンクリートに劣らない強度があります。また、時間が経つにつれて強く成長していきます。
- 調湿効果
自然素材がもつ調湿効果で、一年を通して室内を適度な湿度に保ち快適に維持します。
- 消臭効果
珪藻土や漆喰は清浄作用があり嫌な臭いを吸収してくれます。
- 癒し効果
無垢材が持つ木の香りは疲れを癒し、珪藻土などの塗り壁は塗りムラの印影が温かみをプラスしてくれます。
また、時間の経過で色味の変化があり味わいがでます。
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- 木材住宅のメリット
木造住宅を増やしていくことは、二酸化炭素を蓄積していることになり、街にもう一つの森林を造ることと同じ効果があるといえます。
そこで、木造住宅を建てる上で地球環境だけではなく暮らしへもたらすメリットをお伝えします。
・メリット①
【断熱性に優れている】
スギ・ヒノキ・ブナなどは木造住宅に用いられることが多い木材となります。
これらはコンクリートや鉄と比較すると高い断熱性を持っています。
断熱性が高い木造住宅は冬は暖かく、夏は涼しいと言われています。
1年中快適に過ごせる木造住宅は、室温を一定に保つことができるので、節電にも繋がります。
・メリット②
【設計次第でリフォームがしやすい】
木造住宅は、土台・柱や梁など、建物にとって重要な構造部分が木材で構成されており、構造自体はシンプルです。
鉄骨住宅と比較すると設計の自由度が高いため、将来家族の形態や生活スタイルに変化がある場合、柔軟な対応が可能となります。
・メリット③
【費用を抑えらえれる】
木造住宅は鉄骨の住宅と比べると材料費が安い為、費用を抑えることができます。
鉄骨に比べ、工期も短く済むので人件費削減にも繋がります。
注意点としては木材の種類により価格が変動するため、予算に合わせた木材を選ぶことが大切になります。
■身近でできる、木材の利用
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木材は住宅以外にも、身近なあらゆる方法で活用することができます。
例えば・・
・木材の家具を利用し、メンテナンスをしながら使い続ける
・スプーンやフォークなど木製のものを利用する
・子ども用のおもちゃを木製品にする
また、近年では建設会社が一般消費者へ安価・または無償で廃材を提供する活動も行われているようです。
お家でのDIYなどに有効活用することで木の温もりを身近に感じるだけではなく、SDGsの一環にも繋がります。
その他にも最近では、横浜市中区に国内で最も高い木造の高層ビルが完成しました。
これまで国内での純木造高層ビルの最高の高さは約27メートル余りの7階建てでしたが、今回建てられたものは高さ40メートル余りで、
11階建てとなっています。
建築を手がけた会社の試算によると、二酸化炭素の排出量を約4分の1程度削減でき、脱炭素化に向けた大きな取り組みとなります。
今後も国内で更に高層階となる純木造高層ビルの計画があるようです。
純木造高層ビルは世界でも事例が少ない為、国内だけでは無く世界でも注目となる取り組みになるのではないでしょうか。