■ 今週のTOPIC「家づくりの基礎知識 水害に関する保険」

自然災害が多いといわれる日本、

近年ではゲリラ豪雨の発生も増加しています。

 

そんな“もしも”の時に頼りになるのが、

損害保険です。

 

住まいに関する保険には、

火災保険と地震保険がありますが、

水害による被害は補償してもらえるのか?

 

災害に備え、

それぞれの保険の補償範囲を知っておきましょう。

保険の代理店のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

 

◆水害による被害“水災”も火災保険で補償される

火災保険は、

火事による損害を対象とした保険ですが、

補償の範囲は火災だけに留まりません。

 

台風や竜巻などの強風や、

水害による損害も補償の対象としています。

 

なお、保険用語では、

強風による被害を【風災(ふうさい)】

水害による被害を【水災(すいさい)】

と呼びます。

 

水災の内容を具体的に挙げると、

台風や低気圧による高潮、

大雨などによる川の増水・氾濫による洪水です。

 

このほか、豪雨による地すべりや土砂崩れ、

雪解けの水による融雪(ゆうせつ)被害なども

水災に含まれます。

 

 

◆津波による被害を補償するのは地震保険

 

地震保険は、地震・噴火・津波による損害を

対象にした保険です。

 

火災保険の特約と位置付けられているため、

地震保険のみ単体で加入することはできません。

 

ここで注意しておきたいのが、

津波は火災保険上の“水災”には

含まれていないということです。

 

津波被害に保険をかけたい場合には、

火災保険と地震保険の両方に

加入する必要があります。

 

 

◆水災補償は建物と家財それぞれが対象

 

すべての火災保険に

水災補償が付帯されているわけではありません。

 

建物と家財それぞれに

水災補償の有無を設定することで

はじめて対象となります。

 

建物の補償とは、

土砂崩れで住まいが全半壊した場合の建築費用や、

浸水で床や壁が破損した場合の修理費用などが

対象です。

 

家財の補償では、

水に浸かって使えなくなった布団や家具、

電化製品の購入費用などが対象となります。

 

床上浸水のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

 

資料によると、

2014年の火災保険および共済契約のうち、

建物に対しては約82%、

家財に対しては約85%の割合で

水災補償が付帯されています。

 

大手保険会社の標準的なプランでは、

一戸建てで建物・家財の両方に

水災補償を付帯する場合としない場合で、

保険料の差額は

年間8,00018,000円ほどとなります。

 

 

◆保険の契約内容をよく確認しよう

 

一般的な水災補償では、

以下の基準が保険金の支払要件となります。

 

「建物あるいは家財の再取得価額、

 又は時価30%以上の被害」

 

「床上浸水あるいは45cm以上の浸水によるもの」

 

「時価」とは、購入時の価格ではなく、

 経年劣化などによる消耗分を差し引いた

 現在の価格のことです。

 

なお、同等のものを新しく建築・購入する際に

必要な現時点での価格を、

【新価】あるいは【再調達評価額】と言います。

 

ひとつの例として、

新築時2,000万円で、

現在の時価は1,500万円の一戸建ての

ケースを考えてみましょう。

 

この家が土砂災害で全壊してしまい、

同等の家を建築するために、

現在は2,500万円必要だとします。

 

契約している保険が【時価】型の場合は、

新価2,500万円と時価1,500万円の差額、

1,000万円は自己負担となります。

 

一方、【再調達評価額】型の契約では、

2,500万円すべてが補償されるため、

自己負担は必要ありません。

 

ただし、補償を受けられる金額には

上限が定められていることがほとんどです。

 

また、被害の金額にかかわらず、

一定の見舞金のみが支払われる保険もあります。

 

このように、火災保険の内容は

保険会社や保険商品によってそれぞれ異なります。

 

保険を契約する際には、

補償の内容や要件をきちんと確認しておくことが

大切です。

 

 

◆地域の水災(水害)リスクを確認しておこう

 

最近、日本では集中的な強雨の発生件数が

徐々に増加しており、保険金支払対象の事故件数は、

水災が最も多くなっています。

 

そのため、

火災保険に水災補償を付けるかどうかで

毎月の保険料が大きく変わります。

 

保険料はお住まいの地域や

住宅の構造などによって設定されます。

 

簡単に言えば、

リスクの高い家は保険料も高いということです。

 

つまり、川の近くや自然災害の多い地域では

保険料も高めになりやすいのです。

 

高台にあり、

周囲に土砂崩れの心配がない環境であれば、

水災リスクは比較的低いと言えるでしょう。

 

手厚い補償を付帯すれば安心感は高まりますが、

保険料が家計を圧迫するようでは問題です。

 

リスクと保険料のバランスを考えて補償を設定しましょう。

 

 

◆水災リスクは地域のハザードマップで知ろう

 

お住まいの地域の水災リスクは、

地方自治体が作成している

ハザードマップで確認しておきましょう。

 

ハザードマップとは、

災害の予想される地域を色分けし、

分かりやすく示した地図です。

 

地域によって、

洪水・津波・高潮などの種類があります。

 

国土交通省ハザードマップポータルサイトでは

全国の防災情報を地図に重ね合わせて見ることが

可能です。

 

また

各市区町村のデータへのリンクも用意されています。

 

それでは、また!!

 

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