■ 今週のTOPIC「左官屋さん!!」
◆左官屋さんのお仕事
左官屋さんは、
建築の壁塗りを仕事とする
職人さんの事です。
土やセメントなどの
素材を塗ったり、
砂壁や漆喰・珪藻土の仕上げなどを、
こてを使って塗り、仕上げる
左官工事を行います。
名前の由来は、
「木」に関わる大工さんを
「右官」と呼んでいたのに対して、
「土」に関わる職人さんを
「左官」と呼んでいたと
言われております。
また、
なまって「しゃかん」と
呼ばれることもあります。
昔の日本建築では、
左官工事は、仕上げとして
重要な役割がありました。
建物の耐久性や
居住快適性を高める役割と
壁を美しく仕上げる事です。
近年では、
工事期間の短縮化から、
壁の仕上げには、
塗装やクロス等が増え、
サイディングパネルや
石膏ボード等の建材の
乾式化によって
左官工事が減少しました。
しかし最近では、
漆喰・珪藻土・土壁等
の自然素材を使用した壁が、
見直されております。
また、
手仕事による仕上げの
多様性や味わいを持つ、
左官工事の仕上げの良さが
再認識されてきています。
◆左官屋さんの知識と技術
昔の左官工事は、
すべて「土」によって
行われていました。
「土」は、
産地や目的によって
その性質や色などが
千差万別です。
そこで、
土の特徴を十分に生かして
適材適所に使い分けるのが、
左官屋さんの腕の見せ所です。
また土は、
自然素材のため、
常に均一な品質のものが
手に入るとは限りません。
同じ場所で採れた土でも
時期によって色や成分が
変わることがあります。
均一な品質の土を
調達する事も重要な仕事です。
土に関する豊富な知識も
必要となってきます。
そしてその知識・技術は、
現代の左官屋さんにも
受け継がれており、
様々な種類の塗り壁の材料を
コテひとつで
塗ることができるのです。
左官屋さんの塗り壁は、
種類・塗り方・色によって、
世界で一つしかない
オリジナルな壁を演出します。
◆左官屋さんの歴史
左官工事の起源は、
竪穴式住居で暮らしていた
縄文時代です。
壁の材料である土が
最も手に入れやすい素材でした。
土を団子状に丸めて
積み上げていき
土塀を作ったのが始まりです。
その後、
飛鳥時代には石灰を使い、
壁を白く塗り、
仕上げることができました。
同時に、
細く割った木で
壁の芯を作る技術などが
発展しました。
安土・桃山時代になると
色土を使い、
土の色をコントロールし、
砂や繊維を混ぜることで
様々な表現が可能になりました。
江戸時代には、
漆喰で壁全体を覆う
漆喰仕上げが開発され、
建物の耐火性が
飛躍的に向上しました。
そしてデザイン的にも
美しいものになりました。
その後、漆喰彫刻という
装飾的施工も行われ、
芸術性においても
大きな発展を遂げました。
文明開化後の洋風建築の
装飾にも対応しております。
そして現在も、左官技術は、
新しい素材、新しい工法を
取り入れながら
建築の様々なシーンで
活躍しています。
◆左官ごて
左官ごてとは、
左官屋さんがつかう
こてです。
左官屋さんは、
こてを、使って
塗り仕事する職人さんです。
昔の日本建築の壁は、
ほとんどが塗り壁だった為、
左官屋さんは、
非常に重要な職人さんでした。
その左官屋さんが使う
最も重要な職人道具が、
左官ごてです。
塗り・ならし・仕上げを
左官ごてで行います。
多彩な左官仕上げは、
左官屋さんの腕の見せ所です。
左官ごては、左官屋さんが、
様々なおしゃれな壁を
演出する芸術的な道具なのです。
◆まとめ
今回は、
左官屋さんについて
お伝えしました。
質は、
左官の名前の由来は、
今回紹介したもの以外でも
諸説ございます。
しかしながら、
どれも階級や称号などの
位が高い職のことを指します。
それだけ、
左官屋さんには、ロマンがあり、
歴史のある職人さんです。
時代とともに
建築物との関りを、
変化しながらも、
どんな技術が発展しても
機会に頼りすぎず
必ず、人の手で仕上げ
芸術的な仕事をします。
それが、
左官屋さんなのです。
それでは、また!!