今週のTOPIC 「家づくりの基礎知識 窓の種類と特徴」
窓は、眺望や採光、通風や換気などもちろん、
外観デザインやインテリアの要素ともなるものです。
窓のスタイルや配置計画によって、
日々の快適さや使い勝手を
大きく左右する重要なアイテムです。
ひとくちに窓といっても、
さまざまなタイプがありますが、
開閉方法や形、設置する位置や目的などによって
分類することができます。
◆開閉スタイルによる分類
■横引き窓(引き違い・片引き・引き分け)
横にスライドするタイプ
横に引いて開閉する窓には、
左右どちらからも開けられる引き違い、
中心から左右に開ける引き分け、
一方だけの片引きがあります。
最も一般的で馴染み深いのは引き違いでしょう。
サイズも揃い、さまざまな場所に
プランニングすることが可能なスタイルです。
下枠のレールに工夫を施し、
室内からベランダ・バルコニー・デッキなどとの
つながりをスムーズにした掃き出し窓、
フィックス窓と片引きを
組み合わせたタイプなどもみられます。
■上げ下げ窓 ダブルハングが一般的
2枚の窓を窓枠に沿って上下にスライドさせて
開閉するタイプのことです。
ハングウィンドウとも呼ばれており、
上下2枚とも動くダブルハングが一般的でしょう。
片方だけが動くタイプはシングルハングと呼ばれ、
2枚が同時に動くタイプは上下からの通風が可能です。
開閉が壁の厚みの中で収まるので、
場所をとらないのがメリットです。
■滑り出し窓 横と縦のスタイルがある
滑り出し窓には、
横滑り出し窓と縦滑り出し窓があります。
窓枠の左右の溝に沿って動くタイプが横滑り出し窓、
ガラス部分がひさしのようになり、
雨が吹き込まず通風を確保することができます。
上下の溝に沿って横に
滑り出すタイプが縦滑り出し窓、
角度によって、風を調整することが可能でしょう。
防犯対策として、一定の角度以上に開かないように
ストッパーが付いているタイプもあり、
チェーンなどで操作する高所用滑り出し窓もあります。
■内倒し窓・外倒し窓 窓の下を軸にして内と外に倒す
内倒し窓は、窓の下を軸に、
部屋の内側に倒すタイプの窓のことです。
水まわりの天井近くや手の届きにくい場所に
用いられることが多いものです。
外側に押して開くタイプは外倒し窓は、
外に向かって空気が流れやすいので、
高所に設置するケースがみられます。
■開き窓(外開き窓) 片開きや両開きがある
欧米でよく用いられる窓で、
左右どちらかを軸に開閉するタイプです。
外開きが一般的で、1枚の片開き、
2枚の両開きなどがあります。
両開き窓の上部に
半円形のフィックス窓を組み合わせたタイプなどは
輸入製品に多くみられ、
住宅のデザインに合わせ、
窓枠をカラフルな色に塗装したものなどもあります。
■ツーアクション窓 2種類の開き方ができる
内倒しと内開きなど、ハンドルの操作によって
2つのタイプの開閉方法ができるタイプです。
開きの少ない内倒しで、通風や換気も可能ですし、
防犯にもなります。
内開きのスタイルは掃除もしやすいのが特徴です。
■ルーバー窓 ジャロジーと呼ばれることも
水平に重なった複数の細長いガラス板のルーバーを、
ハンドルやチェーン操作、電動で開閉する窓のことです。
ジャロジー、ガラリ窓とも呼ばれています。
洗面室やキッチン、納戸など
通風・換気が必要な場所に多く用いられ、
断熱性を高めたダブルガラスタイプもあります。
視線を遮りたい場合は、型板ガラス
(ガラスの片面に型模様をつけた不透明もの)
を取り入れるといいでしょう。
面格子付のタイプもみられます。
■オーニング窓 複数の窓が一緒に開閉
縦に並んだ複数の障子(横滑り出し窓)が
同時に開閉するタイプの窓です。
ひとつのハンドルで操作します。
角度を変えることで、通風を調節することが可能です。
■回転窓 掃除がしやすいのが特徴
戸の中央を回転軸とするもので、
縦軸回転、もしくは横軸回転のタイプがあります。
家の中から窓の外側の掃除が
しやすいのも特徴でしょう。
■全開口型(大開口)の窓
折れ戸や引き込みなどが揃う
開口部を大きく開くことができる窓です。
折れ戸のような窓
(両側にたためるものは両折れタイプ)や
引き込みタイプ、片引きタイプなどが揃っています。
リビングとデッキ・テラスなどの
アウトドアスペースを一体化させたい場合などに
適しています。
■フィックス(はめ殺し)窓
光を取り込むことが目的
開閉できないガラス窓のことです。
はめ殺し窓とも呼ばれ、
採光が主な目的の場合に用いるものです。
丸型や正方形、細長いスリット状のタイプ形など
さまざまな形状の製品があり、
異なる形状の窓と組み合わせる例もあります。
小型のタイプを並べて、個性的な外観や
インテリアデザインとしてもいいでしょう。
■出窓 部屋を広く使用できる
窓の開口部を外に突き出したタイプの窓です。
長方形や多角形(ベイウィンドウ)、
弓形(ボウウインドウ)など、
さまざまなデザインがあります。
室内側を広く使えるメリットがあります。
◆取り付ける位置や設置方法などでの分類
■トップライト(天窓) 3倍の採光が得られる
天窓やルーフ窓とも呼ばれる
屋根に取り付けられた窓のことで、
同じ大きさの一般の窓と比べて
3倍の採光が得られるとされています。
固定式(フィックス)と開閉式に分かれ、
開閉式には、手動タイプと電動タイプがあります。
雨センサーや熱センサーによって
自動開閉するタイプも揃っています。
■ハイサイドライト 天井近くに設ける窓
高窓採光とも呼ばれ、目の高さより高い位置、
壁の上部天井近くに窓を設け採光を得ること、
もしくは、設けられた窓のことを指す場合もあります。
■高所用窓 吹き抜けなど高い位置に設置
吹き抜け空間や階段上部など、
高い位置に設けるための窓サッシです。
開閉操作にチェーンを設置できるなどの
特徴があります。
■地窓 床面近くに設置する窓
床面に接した位置にある窓のことです。
床面から柔らかい光を取り入れることが可能です。
■コーナー窓 空間に広がりが生まれる
部屋のコーナー部分に設けるものです。
二方窓とも呼ばれ、空間に広がりが生まれます。
■テラス窓 屋外に出入りするタイプ
庭やテラス、デッキなどに出入りしやすい、
掃き出しタイプの窓です。
テラスドアと呼ぶこともあります。
■デザインウィンドウ(装飾窓)
アクセント窓と呼ばれることも
丸や四角の小さめの窓、
細長い窓のことやそれらを
いくつか組み合わせたプランを指す場合がみられます。
アクセント窓と呼ぶことも。
また、開閉方法の異なる窓を組み合わせたものを
指すこともあります。
窓を連続させたり、複数用いることで、
個性的な光を取り入れ演出したり、
特徴ある外観デザインを作り出すことが
できるでしょう。
■連窓 複数の窓を並べて設置
同じ窓をいくつか並べて設置することです。
縦に並べ段窓ということもあります。
■ピクチャーウィンドウ
絵のような風景を眺めることができる
好ましい外の風景を
枠で囲うように設けた窓のことです。
眺めることを主な目的とした窓を指します。
◆雨戸やシャッター付き、リフォーム向けタイプ
■シャッター付・雨戸付サッシ
操作しやすい電動タイプのシャッターも
防犯性を高め、雨や風から住まいを守るため、
シャッターや雨戸と組み合わせた商品も揃っています。
リモコンなどで操作できる電動タイプもあります。
■面格子付窓 裏手の窓、防犯性が気になる窓に
防犯性を高めるために、
面格子を組み合わせたタイプです。
水まわりなどに用いる引き違い窓や
ルーバー窓などでみられます。
■後付けサッシ
リフォーム向けの施工しやすいタイプ
既存サッシの外側に取り付けることができるもの、
内窓として設置するもの、
また既存の枠を用いるタイプなどが提案されています。
いずれも施工しやすく、
性能を高めることができるでしょう。
◆まとめ
このように窓には、
さまざまな形や設置方法などがあります。
最近では、室内と屋外をつなぐ
大きな開口部に適したもの、
プライバシーを確保しつつ採光や通風を
確保するような小型のもの、
細長いタイプなども数多く揃っています。
選ぶ際には、ショールームで、実物を確認し、
操作方法や掃除のしやすさなどをチェックしましょう。
もちろん、断熱性や気密性などの性能面、
外観やインテリアとのコーディネートなども
検討しておきたいポイントです。
窓まわりの建材である、網戸や雨戸、面格子も
同時に確認しておきましょう。
それでは!!