今週のTOPIC「エコキュートの仕組みや機能」
日々の暮らしに欠かせない
お湯を生み出す給湯器(給湯システム)!!
キッチンやバスルームなどの
水まわりの給湯はもとより、
プランニングによっては、
床暖房やミストサウナなどに
関わる場合もあります。
給湯器には、ガスや電気、石油などの
熱源などによって、
いくつかのタイプがあり、
最近では、さまざまなシステムの機器が
みられます。
選ぶ際には、
家族構成やライフスタイル、
間取りや関係する設備機器など、
トータルに検討することが大切でしょう。
◆電気を熱源とするエコキュート、
ガスを熱源とするエコジョーズ
エコキュートは、
電気を熱源とした給湯器システム。
他に、
従来より用いられている
電気温水器もありますが、
電気を用いる給湯器の主流は
エコキュートでしょう。
名称が似ているエコジョーズは、
高効率ガス給湯器のことです。
ガスを熱源とした給湯器です。
その他、
ガス発電・給湯暖房システムである
エコウィル、
家庭用燃料電池のエネファームなども
ガスを熱源としたシステムです。
また、石油を用いる商品としては、
排熱を再利用することで、
熱効率を向上させたエコフィールがあります。
◆エコキュートは空気の熱でお湯を沸かす
エコキュートとは、
「自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機」
のことです。
環境に配慮し、
再生可能な空気の熱を利用して、
効率よくお湯を沸かす給湯システムです。
エコキュートという名称は商品名ではなく、
電力会社や給湯機器メーカーが
「自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機」
を総称する愛称として用いているものです。
カタログなどを見るとわかるように、
さまざまなメーカーの商品に
ついている名称です。
主な特徴は、
コンプレッサーで大気の熱を汲み上げ、
給湯の熱エネルギーをつくる
ヒートポンプシステムなので、
使用する電気エネルギーに対して
約3倍の熱エ ネルギーを
得ることができることです。
ヒートポンプシステムの冷媒としては、
従来のフロン系ではなく、
自然界に存在するCO2(二酸化炭素)を
使用するため、
オゾン層破壊や温暖化ガス排出の抑制に
つながります。
また、昼間よりも割安な夜間電力を使用し、
効率的なヒートポンプシステムと
組みあわせることで
ランニ ングコストを低減できること、
などが挙げられます。
◆エコキュートは電気温水器とは
仕組みが大きく異なる
同じ電気を熱源とする電気温水器は、
主に電気ヒーターでお湯を沸かし、
一日に使用するお湯を貯湯タンク本体に
蓄えておくものです。
一方、エコキュートは
前述のとおり、
ヒートポンプシステムによって
大気中の熱を汲み上げ、
給湯に必要な熱エネルギーとして
利用するシステムです。
形状は、
ヒートポンプユニットと
貯湯タンクユニットの
ふたつからなります。
同じ貯湯式の給湯システムですが、
仕組みは全く異なるものです。
ただ、電気温水器もエコキュートも、
災害等、万が一の際、貯湯タンクに
お湯が残っていれば、
生活用水としての利用することができるのは、
共通メリットと言えるでしょう。
◆現在のエコキュートは
省エネ性能や使い勝手がアップ
エコキュートはもちろん、
住宅用の給湯システムは、
いずれも省エネルギー性能や
使い勝手がますます高まってきています。
各メーカーのエコキュートをみても、
ヒートポンプユニットの
熱交換器の高効率化を図るなどして、
省エネルギー性能を
向上させているのが
最近の傾向と言えるでしょう。
エコキュートには、
学習機能が付いており、
それぞれの家庭のライフスタイルにあった
湯量を過去の使用量などから判断し、
必要な量だけを沸き上げる機能などが
付いています。
また、使用湯量の目標値などを
リモコン表示することで
省エネルギーへの意識を
高める機能などもみられます。
上手に設定することで、
無駄を減らし、
より省エネルギー効果を
高めることも可能です。
また、使い勝手に関しても、
フルオートタイプ、セミオートタイプ、
給湯専用も揃っているので、
ライフスタイルに合わせて
選ぶことができるでしょう。
幼いお子さんや高齢の方の入浴時でも
安心な双方向会話機能や音声ガイダンス、
誰もが使いやすいユニバーサルデザインの
浴室リモコンやキッチンリモコンなど、
細かな工夫も施されています。
誤操作を防止する
チャイルドロックを搭載した
タイプもあります。
その他、
微細なマイクロバブルを発生させ
心地よい入浴が得られるもの、
パワーのあるシャワーを楽しめるもの、
ふろ配管を自動洗浄する機能を持たせた
タイプもみられます。
◆床暖房や太陽光発電と
エコキュートが連携することも
給湯やお湯はり以外に、
床暖房と連動するタイプもありますし、
電気設備や家電と同様に、
ホームエネルギーマネジメントシステム
(HEMS)とつなげることができるタイプ、
太陽光発電システムと
連携することができるものもみられます。
また、電力小売全面自由化に対応し、
多様な電気料金プランに合わせて
自動調整する機能を持ったタイプもあります。
様々な機能を持つタイプが増えているので、
選ぶ際には、給湯システム単体だけでなく、
住まい全体のプランニング、
必要な機能を考慮することが大切でしょう。
◆エコキュートの種類
薄型やコンパクトなタイプ、高圧タイプも揃う
商品としてのエコキュートには、
スタンダードなタイプのほか、
薄型やコンパクトタイプ、
背の低いタイプ、
集合住宅用なども揃っています。
3階にバスルー ムを設置する場合などに適する、
パワフルなシャワーが可能な高圧タイプや
水道直圧タイプなどもあります。
また、
錆や潮風に強い塩害タイプや
低外気温でも作動可能な寒冷地タイプなど、
エリアごとの特性に合わせたタイプがあるので、
地域に適したタイプから
選ぶようにしましょう。
貯湯タンクの設置に関しては、
各メーカーともに耐震強度を高めています。
◆エコキュートでは
タンクの容量に注意を。家族構成に合わせて
新築やリフォームの場合であれば、
設計担当者などから提案されたタイプから
選ぶケースが多いでしょう。
確認する際に、
特に注意したいのはタンクの容量です。
家族構成やライフスタイルに
合わせて選ぶことがポイントです。
おおまかな目安としては、
2~3人家族であれば300リットル、
3~5人であれば370リットル、
4~6人であれば460リットル程度でしょう。
また、リフォームの場合、
敷地内にヒートポンプユニットと
貯湯タンクユニットの設置スペースが
取れるかどうかも確認しておきたいものです。
いずれにしても、
専門的な部分や不安に思うことは、
早めに設計担当者に
相談することが大切でしょう。
◆エコキュートの本体価格は70~100万円程度。
工事費を含めて見積もりをチェック
タンクの容量や機能によって異なりますが、
エコキュートの本体価格は、
工事費等別で70~100万円台程度です。
容量が大きく、
多機能になるほど価格はアップします。
電気温水器と比べれば割高ですが、
高い給湯効率と割安な夜間電力などを
組み合わせることにより、
電気代は従来の電気温水器の約3割ほどになる
(地域・電気料金契約により異なる)
というデータもあります。
また、エコキュートの設置に対して、
必ず工事費を含めて見積もりを
チェックすることが大切です。
◆自治体の補助金制度なども確認を
地方自治体によっては
補助金制度を設けているところもあります。
検討する際には、
補助金制度の有無、条件、申請期間、
補助金額など、
事前に確認するようにしましょう。
◆エコキュートのプランニングは
騒音などにも配慮して
エコキュートの
ヒートポンプユニットの運転音は、
エアコンの室外機程度と言われていますが、
深夜に作動するため、
密集地などの場合には
設置場所には充分な検討をしましょう。
周辺環境を考慮し、
特に隣家の寝室や居室の近くは避けるなど、
プランニングに十分に配慮することも重要です。
それでは、また!!