今週のTOPIC「家づくりの基礎知識 神棚と仏壇」
神棚と仏壇、
どちらも水やお米を供えたり
手を合わせてお参りしたりする場所
というイメージがあります。
では、具体的にはどのような違いが
あるのでしょうか。
また、安置する場所や方角の決まりを
今回はお伝えします。
◆神棚と仏壇の違いとは
神棚は、その名の通り神様を祀る場所です。
神棚には神社を模して作られた
「宮形(みやがた)」を安置し、
その中に伊勢神宮のお札や、
地域の氏神様のお札を祀ります。
家の中に小さな神社があると考えて、
拝礼すると良いでしょう。
毎日新しい水と米(またはご飯)をお供えします。
神棚の祀り方には完全に統一された形式はなく、
地域や家庭によって様々な伝統があります。
一方、仏壇は、
亡くなって「仏」になったご先祖様を
家庭内で祀る場所です。
仏壇の中心には、仏さま(故人)の位牌とともに、
信仰の中心となる「ご本尊」を祀ります。
ご本尊の種類は信仰する宗派によって異なりますが、
木彫りの仏像あるいは仏さまの姿や
曼荼羅(まんだら)を描いた掛け軸が多いようです。
そのほか、香炉・鈴(りん)・灯籠・
燭台(ろうそく立て)・花立などの仏具を
配置するのが基本ですが、
宗派によって様々な種類があります。
◆神棚を安置する場所と方角
神棚は、太陽の方角である南向きあるいは
東向きとなるように、
明るく清浄で天に近い場所に安置します。
直射日光が当たる場所、人の出入りがある扉の上、
トイレと背中合わせになる場所、
暗くじめじめした場所などは避けましょう。
建物が平屋でない場合は、
最上階に安置するのが望ましいとされています。
住宅事情から最上階への安置が難しい場合は、
すぐ上の天井に「雲」と書いた紙や、
「雲」の文字をかたどった彫刻を貼り付けることで、
「これより上が天である」と見なすことが可能です。
「雲」以外に「空」や「天」の文字を
用いることもあります。
2階建ての一戸建てで下の階に
神棚を安置する場合は、
廊下や居室などの人が
踏みつける場所の下は避けます。
神棚の上にあたる場所には
何も置かないのがベストですが、
難しい場合には家具を置くなどして
人が歩かないようにしましょう。
◆仏壇を安置する場所と方角
仏壇用の和室「仏間」があれば、
そこに置くのが一番ですが、
必ずしも仏間や和室に置かなければいけない
という決まりはありません。
リビングなど、家族が過ごす時間が長くて
毎日お参りしやすい場所にすると良いでしょう。
ただし、トイレのすぐ近くや廊下、
家族があまり使用しない薄暗い部屋などは避けます。
昔ながらの仏壇は
比較的大型で純和風のデザインですが、
近年は住宅環境の変化に合わせて
様々な種類の仏壇が登場しています。
洋風のリビングに置いても
違和感のないシンプルなデザインや、
小さめの仏壇も多いので、
好みに合わせて選択すると良いでしょう。
また、家具の上に置けるほどの
すごく小型な仏壇もあります。
ただし、正座でお参りする際に、仏さまが
目線よりも下になるのは望ましくないので、
小型の仏壇は床へ直置きせずに台や棚の上に
安置しましょう。
◆仏壇の方角は諸説ある
仏壇は東向きあるいは南向きに安置することが
多いとされております。
ただ、仏壇の向きについては諸説あり、
どの方角を向けても大きな問題は、
ないとされています。
仏壇の位置や方角にこだわりすぎるよりも、
毎日のお参りのしやすさを
考えることがおすすめです。
それでもやはり方角が気になる場合は、
菩提寺(法事などで日頃お世話になっているお寺)に
相談しましょう。
◆神棚と仏壇を同じ部屋に安置しても大丈夫?
神棚と仏壇の両方がある場合、
同じ部屋に安置しても問題はありません。
ただし、できれば離れた位置に
安置するのが望ましいとされています。
また、避けるべきとされている配置もあるので
確認しておきましょう。
- 向かい合わせに安置しない
仏壇と神棚を向かい合わせに配置するのは
「対立祀り」といわれ、
家相的に凶とされています。
どちらかにお参りする際に、
もう一方にお尻を向けてしまうため
失礼にあたるからです。
◆上下に安置しない
神棚の下に仏壇を安置するのは、
どちらに手を合わせているのかが分かりにくいため、
避けるべきとされています。
住宅事情から、別の位置に確保するのが
難しい場合には、神棚と仏壇が
完全な上下とならないように、
中心がずれるように安置するのが望ましいです。
その場合は、神棚には立った姿勢で手を合わせる、
仏壇には正座してお参りする、
と明確な区別をすると良いでしょう。
それでは!また!!