今週のTOPIC「家づくりの基礎知識 足場工事編」
◆足場工事とは
足場工事の主な仕事内容は、高所で作業する職人さんの
作業スペースをつくることです。
足場は、完成する予定の家と同規模の大きさになります。
一際目立ちますので、現場を目指す職人さん達の目印にもなります。
一般住宅では、主に部材と部材を
打ち込みながら連結させていくタイプの足場です。
基礎が出来上がった段階で工事をするのが主流です。
手摺すらない場所で、幅60cm前後のスペースを、
重たい部材で組み立てていく姿は正に職人です。
一般的な大きさの家であれば、約1日で組み立てが完了しますが、
高所で作業する職人さんの命が懸かっていますので、
絶対に手抜きが許されない工事です。
すべての工事が完了したら解体します。
◆足場の意義
実際に家など建築物を建てるときはもちろんのこと、
防水や塗装といった建物のメンテナンスを行う時に、
作業者の安全を確保するために設置します。
これは厚生労働省からもチェックの入る重要な仮設の作業床です。
建設・建築の現場では、
落下によるケガや死亡事故を防ぐ合言葉として
「1メートル=一命取る」と言われる程、この足場は重要視されています。
高さが5メートル以上の足場を組み立て・解体する際には、
足場用の作業主任者を選任しなければならない程大切な設備です。
足場をかけるための専門業者(足場屋と呼ばれる)もあることから、
その大事さが解って頂けるはずです。
◆種類は大きく分けて3種類
【単管足場】
鉄製パイプを、建物のサイズや形に合わせ、
クランプと呼ばれる金具をボルトで固定することで
組み立てる足場のことです。
隣接する家との間が狭いといったケースにも対応しやすいことから、
多くの一般住宅ではこの単管足場が用いられます。
【丸太足場】
間伐材として切り出された細い丸太を、鉄線で組み合わせ足場にします。
基本的にあまり高さのない建物で利用されますが、
その建物の性質に合わせ時に驚く高さにまで組むことがあります。
例えば東京タワーのメンテナンスには、この丸太足場を使用します。
電波塔への影響がないこと、あまりに高いため部品の落下による
地上での事故を防ぐためです。
【手すり先行工法】
国土交通省が直轄する大型工事では「標準」として定められているものです。
単管パイプや足場板を使用する所までは「単管足場」と大きくは違いませんが、
組み立て順序を見直すことで、足場を組むという最初の段階での事故を
防止するために用いられるようになりました。
先に手すりを組むことにより、足場を組む作業者の安全にまで配慮する方法です。
◆防塵や防音のためのシートを固定する場所にもなる
建物を建てたり、メンテナンスをする上で、防塵や防音のケアを
しなければならないことが増えています。
建築の作業は、残念なことに近隣へは「迷惑」と
取られてしまうこともしばしばです。
これらへの対策のために必要に応じたシートを、
建築・メンテナンス作業中の建物を取り囲むように使用しますが、
これを固定する場所として足場が利用されます。
台風などの際にはこのシートが風をはらみ、倒壊に至ることもあり得ます。
現場監督や足場屋は天気予報を見ながら、このシートを数か所に寄せ、
あえて風を通るようにする作業を行います。
足場工事によるしっかりとした足場で作業するからこそ、
いい家づくりができるのです。
それでは!また!!