今週のTOPIC「家づくりの基礎知識 クロスの種類・素材、機能性」
クロス(壁紙)は布や紙、ビニールなどの
素材でできており、
壁の保護やお部屋の装飾を
目的として貼られています。
最近では、消臭や防カビ効果がある
高機能なクロスが販売されており、
デザインも豊富です。
また、クロスを変えるだけで
部屋の雰囲気が一新されるので、
新築時だけでなく
リフォーム時に張替えを検討している方も多いです。
今回はクロスの素材から、高機能なクロスまで
詳しくご紹介させていただきます。
◆クロスの素材
「クロス」とは家やオフィスのお部屋に張る
壁紙のことです。
クロスの素材は大きく
4つに分類することができます。
先ずは一番多用されており、
耐久性に優れたビニールクロスのご紹介です。
- ビニールクロス
クロスの中でも多用されているのが
ビニールクロスです。
他の素材に比べ安価で、品質も安定しており、
耐久性も高くお掃除がしやすいクロスで、
色やデザインが豊富です。
ビニールクロスは、
塩化ビニール樹脂などを主な素材とする
ビニールシートに紙などを裏打ちしたものです。
表面加工の方法によっても分類することができ、
たとえば、表面に凸凹のあるエンボス加工や
発泡させたもの、プリントを施したものなど
多種多様です。
クロスにさまざまな機能を持たせている商品も
多くみられます。
- 織物クロス
織物クロスは、レーヨン、絹、麻などで
作られるクロスです。
平織りや綾織、不織布などがあります。
ビニールクロスと比べて高級感、重厚感があります。
ホコリを吸着しやすいので、
定期的に掃除やメンテナンスが必要です。
ホテルや美術館などパブリックスペースで
使われることもあります
- 紙クロス
和紙、ケナフなど非木材紙を
原料としたものなどもあります。
紙は音を吸収し、空気を通す素材であり、
また環境や健康への配慮がなされている素材として
注目されています。
ほとんどが輸入壁紙ですが
手すき和紙の紙クロスもあります。
自然素材の住宅などでも使われています。
- その他
紙と珪藻土を混ぜてつくられる「珪藻土壁紙」
金属やガラス繊維が原料の「無機質壁紙」
ポリエチレン・ポリプロピレンなどの
合成樹脂を主原料とした「オレフィン」
薄くカットした天然木やコルクなどを
紙と張り合わせた「木質系壁紙」、
メタリックなクロスなどがあります。
◆様々な機能を持つクロス
部屋の壁に貼り付けるクロスには、
様々な機能がついています。
どのような機能のクロスがあるのか知らなければ、
何を選べばよいかがわからないと思います。
多様な種類のクロスを知って、
自分の部屋にぴったりなクロスを選びましょう。
■ 消臭効果
臭効果のあるクロスは
タバコや気になる生活臭を
表面に加工されている消臭剤が、臭気ガスと反応し、
吸着させて消臭効果が得られるという
仕組みになっています。
もちろん、キッチンや洗面所、トイレ空間にも
オススメです。
消臭・抗菌効果がありますので
家の匂いが気になる場所なら
幅広くご利用いただけます。
使用環境にもよりますが、
効果が持続するのは10年程度と言われています。
- オススメの部屋タイプ:全てのお部屋にオススメ
■ 防カビ効果
湿気の多い部屋の場合、
クロスにカビが生えてしまうことがあります。
カビは見た目もよくないですが、
衛生面においても人体に悪影響を与えるので
注意が必要です。
そのため、部屋の湿度が高いようであれば、
防カビ処理されたクロスを
利用するのがいいでしょう。
防カビに関しては後でコーティングを
施すこともできますので、
そちらも是非ご検討ください。
- オススメの部屋タイプ:
ダイニング、キッチン、洗面所、
脱衣所、トイレなど
■抗菌効果
衛生的に過ごしたい場合にかかせないのが
この抗菌機能です。
防汚機能と一緒に対応していることが多く、
表面に抗菌剤が使用されていますので
あらゆる菌の増殖を抑制します。
特に小さなお子さまや高齢者といった
免疫力が強くない方いらっしゃるご家庭に
オススメです。
その他にも衛生的に保ちたいという
トイレや洗面所、キッチンなどにもオススメです。
- オススメの部屋タイプ:
キッチン、トイレ、子供部屋
■表面強化
一般的なクロスよりも強度が高く、
比較的破れにくくキズがつきにくいのが特徴です。
人通りが多い廊下や玄関、階段、リビング
といった傷みやすい場所には
最適の機能といえます。
- オススメの部屋タイプ:
リビング、玄関、廊下、傷つきやすい場所など
■ スーパー耐久性
クロスを選ぶ際には、
耐久性も重要な要素の1つとなります。
特に引っかきキズなどがつきやすい
「小さなお子様がいるご家庭や
ペットを飼われているご家庭」、
人の出入りが多い「飲食店や商業施設」などは、
クロスが剥がれてしまいやすい場所でもあるため、
耐久性の高いクロスを選ぶ必要があります。
クロスの表面に耐久性のある特殊フィルムが
表面に貼り付けてあるタイプを選べば、
キズがつきにくくキレイな壁に保つことができます。
- オススメの部屋タイプ:
リビング、子供部屋、店舗フロアなど
■ 吸放湿効果
日本には梅雨があるため、
年中を通して比較的湿度が高いという
傾向があります。
湿気が強くなるとカビが生えたり、
不快指数が上がって過ごしにくくなったりと、
生活においてはマイナス面が強く現れます。
そのため、日本の住宅では湿気への対策が
盛んに行われており、そのうちの一つとして
吸放湿効果のあるクロスが選ばれています。
湿気が高いときには水分を吸収し、
逆に乾燥しているときには水分を
放出してくれるので、
常に快適な湿度を保つことができます。
- オススメの部屋タイプ:全てのお部屋にオススメ
■防汚効果
表面に特殊なフィルムをラミネート加工した
クロスです。
そのため、一般的なクロスでは
落ちにくい汚れに対して
水拭きや中性洗剤を使って落とすことができます。
汚れが付着しやすい場所や
小さなお子様がいらっしゃり
落書きに困っていると言ったご家庭でも、
簡単に汚れを拭き取ることができますので
お手入れも簡単です。
- オススメの部屋タイプ:全てのお部屋にオススメ
■ マイナスイオン効果
壁や天井に貼られているクロスから
マイナスイオンが発生していると、
常に部屋の空気をフレッシュに保つことができます。
マイナスイオンには森林浴と同様の
リラックス効果があり、
マイナスイオンを発生させるクロスを選べば、
プライベート空間の癒やし効果を
さらに高めることができるのです。
実際に、クロスからマイナスイオンが
発生する製品が販売されています。
このような製品は、
クロスの生地に天然鉱石が配合されており、
水分と反応することで
マイナスイオンを発生させます。
- オススメの部屋タイプ:
リビング、ダイニング、寝室など
■蓄光機能
お子さまのお部屋や暗がりの廊下などに
人気の蓄光クロスです。
夜になると真っ暗なお部屋で眠れない
廊下を歩くときが暗すぎて困っている
といった時に光がほのかに光りますので
選ばれる方も多いです。
また、昼間は普通のクロスと
変わりありませんので
その点も選ばれている理由です。
通常照明や太陽の光を蓄え、
消灯後約20分間柔らかい光を放ちます。
- オススメの部屋タイプ:
子供部屋、廊下、寝室など
■防火機能
不燃性のあるクロスがこれにあたります。
不燃性と一言にいっても、
不燃、準不燃、難燃の3種類に分かれています。
これらは下地と防火性能の組み合わせによって
同じパターンのものを防火種別として分類しており、
不燃は20分、準不燃は10分、難燃は5分加熱されても
燃焼せず、人体に有害な煙を出しません。
よく燃えない壁紙として
勘違いされる方もいらっしゃいますが、
これらは「燃えにくい壁紙」で、
機能としては燃焼を少しでも遅らせ、
燃焼拡大の防止、煙・有害ガスなどの発生を
抑制することが目的です。
高層階ビルやマンション、集合住宅などでは
これらが必須の場合もありますので、
確認の上お選びください。
- オススメの部屋タイプ:
高層マンション、キッチンなど
まとめ
ここまで紹介してきたように、
機能性に注目してクロスを選ぶことで、
清潔で衛生的、耐久性のある部屋を
実現することができます。
リフォーム時には、デザインやカラーなどの
見た目の部分でクロスを選んでしまいことも
あると思います。
また、なるべく値段を安く抑えるために、
機能性の劣った物を
選んでしまうこともあるでしょう。
しかし、見た目や値段でクロスを選ぶと、
すぐに汚れがついたり、キズがついたりと、
不具合が発生してしまう恐れがあります。
もちろん、色柄や値段も
クロスを選ぶ上でとても大切な要素ですが、
それと同時に機能にも注目して
クロスを選ぶようにしましょう。
それでは!また!!