COLUMN 住宅コラム
今週のTOPIC「IHの種類と特徴」
キッチンの加熱機器として、すっかり身近な存在になったIHクッキングヒーター。
火を使わずに調理できることや、天板がフラットで掃除しやすいことなどから、
新築住宅でも採用されることが多い設備です。
しかし、IHを選ぶ際には、
「IHだから安心」
「3口あれば十分」
というように、単純に考えてしまうのは少しもったいありません。
毎日の料理でどのように使うのかによって、適したタイプは変わってきます。
今回は、IHを選ぶ際に知っておきたい種類や特徴、
チェックしておきたいポイントをご紹介します。
そもそもIHクッキングヒーターとは?
IHとは、「Induction Heating」の略で、日本語では「電磁誘導加熱」といいます。
簡単にいうと、トッププレートの下にあるコイルから磁力を発生させ、
その働きによって鍋自体を発熱させる仕組みです。
ガスコンロのように炎が見えるわけではありません。
そのため、火を使わない加熱機器として、さまざまなご家庭で利用されています。
また、IHの大きな特徴として挙げられるのが、トッププレートがフラットであることです。
ガスコンロのような五徳がないため、調理後にサッと拭き掃除がしやすく、
キッチンをきれいに保ちやすいというメリットがあります。
忙しい毎日の中では、こうした「掃除のしやすさ」は意外と大きなポイントです。
IHにはどんな種類がある?
IHを選ぶとき、まず気になるのが「何口タイプにするか」ということではないでしょうか。
一般的な家庭用IHでは、2口や3口など、複数の加熱部を備えたものが多くあります。
2口タイプ
2つの鍋やフライパンを同時に使用できるタイプです。
一人暮らしや少人数のご家庭、
普段それほど多くの料理を同時に作らないご家庭などでは、2口でも十分な場合があります。
加熱部が少ない分、シンプルに使えることも魅力です。
3口タイプ
3つの加熱部を使って、複数の料理を同時に進めることができます。
たとえば、
「奥でお味噌汁を温めながら、手前で炒め物をする」
「煮物を作りながら、別の鍋で副菜を作る」
といった使い方ができます。
家族の人数が多いご家庭や、普段から複数の料理を同時に作る方には便利でしょう。
ただし、3口あれば必ず便利というわけではありません。
実際に3つすべてを同時に使うことが少ないのであれば、
2口タイプでも問題ないかもしれません。
大切なのは、現在の料理スタイルだけでなく、
これからの家族構成や暮らし方まで考えて選ぶことです。

IHを選ぶなら「口数」だけで決めない
3口タイプを選ぶ場合でも、確認しておきたいのが「加熱部の配置」です。
同じ3口タイプでも、加熱部の大きさや配置は商品によって異なります。
普段使っている鍋やフライパンを思い浮かべてみてください。
大きな鍋を使うことが多いご家庭なら、
その鍋を置いたときに隣の加熱部が使いやすいかどうかを確認しておきたいところです。
複数の調理器具を並べたときに、鍋同士がぶつかってしまったり、
取っ手が邪魔になったりすると、せっかくの3口が使いにくくなることがあります。
ショールームなどで実物を見る機会があれば、
実際に鍋を置くイメージをしてみるとよいでしょう。
「いつも使っているフライパンはここ」
「大きな鍋はここ」
と、普段の料理を具体的に想像してみることが大切です。

IHの大きなメリット「お手入れのしやすさ」
Hの魅力のひとつが、お手入れのしやすさです。
トッププレートがフラットなので、
調理後に汚れを拭き取りやすくなっています。
ガスコンロのように五徳を取り外して、
その下まで掃除するという作業がないため、
日常的な掃除の負担を減らしやすいでしょう。
特に、油を使った炒め物や煮込み料理などでは、
調理中にどうしても汚れが飛び散ります。
そのまま放置してしまうと汚れが固まり、
後から掃除するのが大変になることもあります。
IHの場合も、「汚れたら早めに拭く」という習慣が、
きれいな状態を保つポイントです。
毎日使う設備だからこそ、
掃除のしやすさは長く暮らすうえで大きなメリットになります。
火を使わないことによる安心感
IHは炎を使わないため、「火を使わないキッチンにしたい」という方にも選ばれています。
小さなお子さまがいるご家庭や、高齢のご家族と暮らすご家庭などでは、
火を使わないことに安心感を感じる方もいらっしゃいます。
ただし、IHだから絶対に安全というわけではありません。
鍋やフライパンは高温になりますし、
調理後のトッププレートも熱くなっている場合があります。
また、油を使った調理などには十分な注意が必要です。
安全機能についても商品によって違いがありますので、
どのような機能が搭載されているのかを確認しておくことが大切です。
IHならではの注意点「鍋やフライパン」
IHを採用するときに忘れてはいけないのが、調理器具です。
IHは、すべての鍋やフライパンが使えるわけではありません。
現在使用している調理器具がIHに対応しているかを確認する必要があります。
新築を機にIHへ変更する場合は、
場合によっては鍋やフライパンを買い替えることになります。
「せっかく新しいキッチンにしたのに、愛用していた鍋が使えなかった」
ということにならないよう、事前に確認しておきましょう。
また、IH対応の調理器具であっても、
材質や形状などによって使い勝手が異なる場合があります。
毎日使うものだからこそ、IH本体だけではなく、
調理器具まで含めて考えることが大切です。
ガスコンロとの違いも考えてみる
IHを選ぶときには、IHのメリットだけを見るのではなく、
ガスコンロとの違いも考えてみましょう。
ガスコンロは炎が見えるため、火力を感覚的に調整しやすいという特徴があります。
一方、IHは火力を数値などで設定できるタイプもあり、
操作しやすいと感じる方もいます。
また、料理が好きな方の中には、
炎を使って調理すること自体を楽しみたいという方もいらっしゃいます。
「IHとガス、どちらが優れているか」というより、
「自分たちはどちらの使い方が好きなのか」
を考えることが大切です。
家づくりでは、設備の性能だけではなく、
そこで暮らす人の好みや習慣も大切な判断材料になります。
グリル部分にも注目
IHを選ぶ際には、上部の加熱部だけでなく、グリル部分も確認しておきましょう。
魚を焼くことが多いご家庭なら、
グリルの使いやすさは重要なポイントです。
最近では、魚を焼くだけではなく、
肉や野菜の調理などにも活用できるタイプがあります。
商品によって機能や使い方が異なるため、
「グリルは魚を焼く場所」
と決めつけず、普段の食生活の中でどのように使えるのかを確認してみましょう。
料理のレパートリーが増えれば、
キッチンで過ごす時間そのものが楽しくなるかもしれません。
操作方法も実際に確認
IHは、ボタン式やタッチ操作など、商品によって操作方法が異なります。
見た目がすっきりしたデザインも魅力ですが、毎日使う設備だからこそ、
「操作しやすいか」という点も大切です。
料理中は手が濡れていたり、急いでいたりすることもあります。
火力の変更やタイマー設定などが直感的にできるかどうかは、
実際に触って確認するのがおすすめです。
ショールームでは、遠慮せずに操作してみましょう。
カタログを見るだけでは分からない「押しやすさ」「見やすさ」「使いやすさ」が見えてきます。
キッチン全体とのバランスも重要
IHを選ぶ際に、もうひとつ大切なのがキッチン全体とのバランスです。
IHだけを見ていると忘れがちですが、キッチンにはシンク、
作業スペース、収納、冷蔵庫など、さまざまな設備があります。
料理をするときは、
冷蔵庫から食材を取り出す
↓
作業スペースで下ごしらえをする
↓
IHで加熱する
↓
盛り付ける
↓
ダイニングへ運ぶ
というように、いくつもの動作を行います。
この流れがスムーズになるように計画することが、
使いやすいキッチンづくりにつながります。
以前ご紹介したキッチン周辺ユニットも、キッチン部分との関連性だけでなく、
LDK全体を考慮して選ぶことが大切です。
IHの性能だけを比較するのではなく、
「そのIHをキッチンの中でどう使うのか」まで考えてみましょう。
停電したときのことも考えておく
IHは電気を使って調理する設備です。
そのため、停電時には基本的に使用できません。
普段の生活ではあまり意識しないことですが、
災害などで電気が使えなくなった場合のことも考えておくと安心です。
たとえば、カセットコンロなど、電気を使わずに調理できるものを備えておく方法があります。
家づくりでは、普段の快適さだけでなく、
「もしものときにどうするか」という視点も大切です。
特に災害への備えについては、以前のメルマガでもお伝えしたように、
事前にできる対策を考えておくことが重要です。
後悔しないIH選びのポイント
最後に、IHを選ぶ際のポイントをまとめてみましょう。
- 何口必要なのか
家族の人数や料理の頻度、同時に何品作るのかを考えます。
- どんな鍋を使うのか
現在使っている鍋やフライパンがIHに対応しているか確認します。
- 加熱部の配置は使いやすいか
大きな鍋やフライパンを並べたときの使い勝手を確認します。
- 操作しやすいか
実際に触って、火力調整やタイマーなどの操作性を確かめます。
- 掃除しやすいか
毎日のお手入れ方法や、汚れたときの掃除方法を確認します。
- グリルをどのように使うか
魚だけでなく、普段の料理にどのように活用したいか考えます。
- キッチン全体との動線はどうか
シンク、作業スペース、収納、冷蔵庫との位置関係を確認します。
- 停電時の備えはあるか
IHが使えないときの調理方法も考えておきます。
このように、IHクッキングヒーターは単に「火を使わないコンロ」というだけではありません。
何口あるのか。
どんな鍋が使えるのか。
どんな操作方法なのか。
掃除はしやすいのか。
グリルをどのように使うのか。
そして、キッチン全体の動線はどうなのか。
こうしたポイントを一つひとつ確認していくことで、
自分たちの暮らしに合ったIHを選びやすくなります。
特に新築の場合は、IHだけを単独で決めるのではなく、
キッチンの収納や作業スペース、
ダイニングとのつながりまで含めて考えてみることをおすすめします。
キッチンは毎日使う場所だからこそ、
少しの使いやすさが積み重なることで、日々の家事が大きく変わってきます。
「料理をする人が使いやすいか」
「家族みんなで使えるか」
「掃除や片付けがしやすいか」
そんな視点で、設備選びを楽しんでみてください。
ショールームなどで実際の商品を見ると、
カタログだけでは分からない違いもたくさんあります。
ぜひ、ご家族で実際に触れて、
使う場面をイメージしながら選んでみてはいかがでしょうか。
それでは、また。
