今週のTOPIC「建物の知識 構造編」

地震大国である日本に住む事に焦点をあて

 

建物の知識をお伝えします。

 

 

 

今回は、建物の構造に関してです。

 

 

 

戸建住宅の構造、工法はいくつかありますが、

 

1番地震に強い構造はどれなのでしょう?

 

 

 

耐震性については、

 

新築の場合どの構造・工法でも

 

最低限の耐震性はクリアしています。

 

 

 

戸建住宅の主な構造工法を

 

それぞれベスト3・ワースト3に分けてご紹介します。

 

 

 

 

 

現在の耐震目標は2つ

 

 

 

現在、家を建てる際に適応される法律では、

 

 

 

中規模の地震動でほとんど損傷しない

 

(気象庁で言うところの震度5強程度)

 

 

 

・ 大規模の地震動で倒壊・崩壊しない

 

(気象庁で言うところの震度6強~7に達する程度)

 

 

 

上記のことを目標に作られています。

 

 

 

 

 

新耐震基準に導入された考え方では

 

【大規模地震】に対して、倒壊、崩壊しないことを

 

目標としています。

 

 

 

 「人命確保」が大目標で、建物は損傷、傾きで

 

引続き使用できない可能性があります。

 

 

 

つまり2回目の大地震は想定していないということに

 

なります。

 

 

 

 

 

ちなみに震度に関しては建築基準法には

 

明記されていません。

 

 

 

 

 

▼地震に強い家の注意点

 

 

 

「地震に強い家」は、

 

どの程度の地震を想定するのかで異なります。

 

 

 

また建物だけなく地盤も影響してきます。 

 

 

 

でも、想像してみてください。

 

 

 

想定外の地震が心配だから

 

「山の岩盤の上で窓もないシェルターのような

 

 コンクリートの塊の家」では暮らしにくいですよね。

 

 

 

最近多くの方が「地震に強い家」を求めるため、

 

ハウスメーカーなどの各社が

 

どんどんセンセーショナルな動画や技術で

 

アピールを重ねています。

 

 

 

地元ビルダーでは、そういった技術開発は難しいです。

 

 

 

しかし、地元ビルダーにも蓄積された技術があります。

 

 

 

昔ながらの木造建築の工法に、

 

事例から生まれた新しい知恵を足しながら、

 

それぞれのお客さんが求める

 

「地震に強い家」プラス「暮らしやすさ」を

 

提案したいと思っています。

 

 

 

確かに、家族を守るためには丈夫な家は大前提です。

 

 

 

しかし、災害は地震だけではありません。

 

 

 

家の中での暮らしやすさも考えなければなりません。

 

 

 

1つに固執することなくバランスを考えて家づくりを

 

行っていただきたいと願います。

 

 

 

それでは、本題の構造についてです。

 

 

 

 

 

 

 

◆戸建て住宅 主な3つの構造と特徴

 

 

 

  • 木構造(W造:woodの略)

 

・構造の主要な部分に木材を用いる構造です。

 

 軽量で加工、組み立てしやすいのが特徴です。

 

 

 

  • 鉄筋コンクリート構造(RC造:Reinforced Concreteの略)

 

・引っ張り力に強い鉄筋と、

 

 圧縮力に強いコンクリートを組み合わせることに

 

 よって強度と耐久性を持つのが特徴です。

 

 

 

  • 鉄骨構造(S造:Steelの略)

 

・鉄鋼材の柱と梁を工場で加工し、

 

 現場でボルトをつなぎ合わせます。

 

 工場で加工するため製品が安定するのが特徴です。

 

 

 

 

 

木構造(W造:wood)の主な2つの工法

 

 

 

主な構造材が木で作られる木構造。

 

中でも木造軸組工法は約68%のシェアを占めています。

 

 

 

2×4(ツーバイフォー)工法は約12%で、

 

新築住宅の約8割が木構造という事になります。

 

 

 

こちらの2つの特徴を取りあげます。

 

 

 

 

 

軸組工法(在来工法)

 

 

 

メリットベスト3

 

 

 

第一位 昔から使われていて風土に合っている

 

 

 

第二位 実績がたくさんある安心感

 

 

 

第三位 将来リフォームがしやすい

 

 

 

 

 

デメリットワースト3

 

 

 

第一位 火災に弱い(倒壊するまでの時間は長い)

 

 

 

第二位 シロアリに弱い

 

 

 

第三位 腐る

 

 

 

 

 

木材で柱や梁で骨格を作り、

 

筋交いや金物で強度を補強します。

 

 

 

日本で一番多く用いられている木を使った工法で、

 

日本の風土に合っています。

 

 

 

開口部が比較的自由に開けられるため、

 

リフォームしやすいです。

 

 

 

プレカットや金物の技術の発達により、

 

施工が容易になったが、一定の技術が必要です。

 

 

 

設計通りに、しっかりと施工されることが求められます。

 

 

 

木の特性として、火災や虫に弱いが

 

しっかりと防虫処理されており、

 

メンテナンスをしっかりとすれば、ある程度は防げます。

 

 

 

 

 

▼2×4工法

 

 

 

メリットベスト3

 

 

 

第一位 気密性が高い 

 

 

 

第二位 断熱性が高い

 

 

 

第三位 施工しやすい

 

 

 

 

 

デメリットワースト3

 

 

 

第一位 リフォームしにくい

 

 

 

第二位 窓の大きさが制限される

 

 

 

第三位 結露が起こりやすい

 

 

 

 

 

工法がシステム化されていて、非常に合理的です。

 

 

 

パネル式なので断熱性があるが

 

その分結露も起こりやすいです。

 

 

 

窓の大きさもある程度制限されます。

 

 

 

屋根を一番最後に乗せるため、

 

その間に雨が入らないように

 

しっかりとした養生が必要です。

 

 

 

壁で支える構造のため、

 

自由に窓や入口を変更できません。

 

 

 

そのためリフォームがしにくいです。

 

 

 

 

 

 

 

■鉄筋コンクリート構造(RC造)

 

 

 

メリットベスト3

 

 

 

第一位 耐用年数が長い

 

 

 

第二位 遮音性、耐火性に優れている

 

 

 

第三位 デザイン性が高い

 

 

 

 

 

デメリットワースト3

 

 

 

第一位 建築費が高い

 

 

 

第二位 重量が重い

 

 

 

 

第三位 結露が起こりやすい

 

 

 

 

 

コンクリートは不燃材料のため、火事に強いです。

 

 

 

隙間なくコンクリートが打たれるため、

 

気密性も高いです。

 

しかしその反面結露が発生しやすいです。

 

 

 

十分な換気設備が必要になります。

 

 

 

耐用年数が高く丈夫で長持ちします。

 

 

 

建築費は一般的に高く、重量があるため、

 

土地の地盤改良が必要になる場合もあり

 

コストはかかります。

 

 

 

 

 

■鉄骨構造(S造)

 

 

 

▼重量鉄骨(ラーメン構造)

 

 

 

メリットベスト3

 

 

 

第一位 丈夫で長持ち

 

 

 

第二位 レイアウトが自由で大空間が取れる

 

 

 

第二位 施工が安定している

 

 

 

 

 

 

 

デメリットワースト3

 

 

 

第一位 コストがかかる

 

 

 

第二位 音が響きやすい

 

 

 

第三位 サビに弱い

 

 

 

 

 

柱と柱の間が大きく開けられるため、

 

自由な間取りが可能です。

 

 

 

接合部の溶接がしっかりとされていれば、

 

非常に頑丈で耐久性があります。

 

 

 

重量があるため、基礎にコストがかかります。

 

 

 

鉄の特性状、音が響きます。

 

 

 

また、長時間の火災には、

 

熱で一気に柱が倒壊する恐れがあります。

 

 

 

小さな地震でも揺れを感じやすいです。

 

 

 

重機で運ぶ必要があるため、

 

作業には広い前面道路が必要です。

 

 

 

 

 

▼軽量鉄骨(ブレース工法)

 

 

 

メリットベスト3

 

 

 

第一位 施工が安定している

 

 

 

第二位 レイアウトが自由

 

 

 

第三位 大手ハウスメーカー採用の安心感

 

 

 

 

 

デメリットワースト3

 

 

 

第一位 音が響きやすい

 

 

 

第二位 サビに弱い

 

 

 

第三位 耐久がやや劣る

 

 

 

 

 

ハウスメーカーが多く採用しています。

 

 

 

材料となる鋼材は工場で作られ、

 

製品として安定しています。

 

 

 

ブレース(筋交い)が入っている壁は

 

移動ができないため、重量鉄骨と比べて

 

間取りの自由度は制限されるがコストは抑えられます。

 

 

 

小さな地震でも揺れを感じやすいです。

 

 

 

高熱に弱くさびやすいため

 

防火、防錆、防水処理が必要です。

 

 

 

鋼材の厚みが薄いため、

 

重量鉄骨とは別物と考えたほうが良いです。

 

 

 

 

 

■まとめ

 

 

 

現在の基準法に沿った形で

 

しっかりと施工された建物であれば、

 

どの構造(工法)でも耐震性は問題はありません。

 

 

 

構造や工法を選択する際は、

 

あなたの要望や状況に合ったものを選んでください。

 

 

 

デメリットは、定期的なメンテナンスや

 

しっかりとした施工や処理である程度

 

防げるものもあります。

 

 

 

 

 

「1番地震に強い構造」を探すよりも、

 

その構造を深く理解し、

 

しっかりとメンテナンスや施工してくれるビルダーを

 

探す方がもっと大切な事かもしれません。

 

 

 

 

 

それでは!また!!

 

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